「近所の相談室を全国に」の取り組みのロールモデルをまず作るために、ひとひらに近い京都府宇治市で「お酒の悩み相談室」を立ち上げています。同時に、年に一度の宇治市民と京都府南部の方のためのアルコールセミナーの開催に向けて動いています。
地域で酒害相談室を開設しようとすると、場所の確保や連携機関との調整、チラシの作成と配布、告知、などなど、相談会の運営以外に大変な労力を要します。相談会自体は月に一度、数時間、開催場所に座って待つだけなのですが、それ以外の労力やコストが重くのしかかります。これではせっかく、地域でアルコール問題を抱えて苦しんでいる人を迎えたい、という温かい気持ちがあっても、実現までに漕ぎつけることができません。ここをもう少し簡単にスムーズに労力やコストを最小限にできないものでしょうか?
専門医療に繋がれないまま、内科や外科などの一般医療の入退院送り返すアルコール依存症者が95パーセント以上。アルコール依存症者107万人中、102万人が治療にたどり着けていません。また、最初にアルコール関連の体調不良で一般医療を受診してから専門医療に繋がるまでの期間が平均7.4年…。これを治療ギャップと言います。本人や家族はどこにも繋がれずにただ、毎日次から次へと起こるアルコール関連問題に振り回されています。
それと対極にある、アルコール依存症者の回復のための大切な社会資源である自助グループ、断酒会では、会員の減少、高齢化に悩み、休会や閉会を余儀なくされている実情があります。こちらはこちらで、社会的な役割が終わった団体だとは到底思えません。コロナ禍で家飲みが常態化し、ストロングチューハイを朝から手放せない人がリモートワークで働く、という日常が定着しました。いま、コロナが明けて、その方々はコロナ以前の日常にスムーズに戻ることができているのでしょうか?やめたくてもやめられない酒の負のループから抜け出せずにもがいておられるのではないでしょうか?断酒会を必要としている人がたくさんいるはずです。
「酒の問題を抱えて苦しんでいる人」と「地域の社会資源である断酒会」の間をつなぐものが地域の中に何もないのではないかと思うのです。もしくは、有ってもうまく機能していないのではないでしょうか?本当に困っている人に差し伸べた手が届かなくては・・・。
そこの隙間に「近所の相談室を全国に」という取り組みで穴埋めしたいんです。
今回、宇治市で酒害相談室とアルコールセミナーを開催したい、という企画から開設までの道のりをすべて記録しております。想いに賛同して協働してくださった個人、職種、行政機関、会社など、そして、使えた制度やサービスなど、すべてを記録し、今後別の地域で同様に「酒害相談室」や「アルコールセミナー」を開催したい、という場合に、すべて開示して立ち上げに協力したいと考えております。チラシなどの準備物も、あとは地域の情報を入れたら完成、という状態で提供します。
全国にある断酒会の各例会場にもし、「月に一度、3時間ほど困っている人のために相談会を開きたい」という想いのある方が2人おられたら、おカネもかけず、労力も最小限で相談会を開催できるところまでひとひらでサポートします。ぜひ、こちらにお問い合わせください。
まずは宇治市でロールモデルを作っております。9月12日が初回の「お酒の悩み相談室」です。がんばります!
コメント